HFM(HotForex)とVantage専用のEA提供を予定しておりますが
この2社に関しては海外証券会社にて『法人口座』の開設・取引が可能になります。
法人口座で運用するうえでのメリットやデメリットを簡単に解説していきます。
法人口座開設の前提
- 法人名義にて解説が必要
- 取引条件は個人口座と同じ
法人名義にて解説が必要
海外FXの法人口座は、法人名義でのみ開設が可能になります。
※個人名義での開設は不可
法人の定義ですが『株式会社』や『合同会社』のことを指し、個人事業主は含まれません。
取引条件は個人口座と同じ
海外FXの法人口座の取引条件は個人口座は変わりません。
レバレッジ・スプレッド・プラットフォームなど全ての取引条件が同じになりますので、安心して取引することが出来ます。
業者によっては、法人口座であってもボーナスキャンペーンに参加することが可能です。
個人/法人口座の税率一覧
個人口座
年間所得 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~195万円未満 | 5% | 0円 |
195~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800~4000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円~ | 45% | 4,796,000円 |
個人口座の場合は、累進課税制度によって年間所得が多いほど税率が上がっていきます。
特に後半になるにつれ税率を見るだけでゾッとしますね。
法人口座
年間所得 | 法人税率 |
---|---|
~800万円未満 | 15.0% |
800万円~ | 23.2% |
法人口座では法人税の他に「法人住民税」「法人事業税」など2種類の税金がかかってしまいます。
法人住民税は従業員数などによって変わりますが、最低でも約7万円程度かかります。ただ実効税率は『30%』程度に収まるので一定の利益を超えた段階では海外口座のほうが有利になります。
実効税率とは、会社が利益に対して負担する実質的な所得税負担の割合のこと。法定実効税率とも呼ぶ。
メリット
- 税金面で有利
- 経費にできる項目がある
- 他事業との損益通算が可能
- 損失の繰り越し
- 利益で事業拡大が可能
口座の種類 | 個人口座 | 法人口座 |
---|---|---|
所得区分 | 雑所得 | 事業所得 |
税制 | 所得税(累進課税) | 法人税 |
最高税率 | 最大45%+住民税10% | 最大23.2%+法人事業税など |
経費計上可能なもの | 少ない | 多い |
他事業との損益通算 | 不可能 | 可能 |
損失の繰り越し | 不可能 | 可能 |
含み損の計上 | 決済した損失のみ可能 | 決済前も可能 |
法人口座と個人口座の税金などの違いをまとめてみました。
利益額によって法人口座が有利であり、それに加えて経費計上・他事業との損益連結・損失の繰り越し・含み益の計上など様々な違いがあります。
下記に詳細をまとめていますのでご覧ください。
経費にできる項目がある
- FX専用のパソコンの購入費用
- FXの自動売買ツールの手数料
- FXに関する書籍・新聞の購入費用
- FX関連のセミナー参加費・交通費
- 家賃・水道光熱費の一部(税理士と要相談)
- 掃除機・家具の購入費用(FX取引専用の事務所・部屋でのみ使用している場合に限られる)
- 生命保険料・退職金
- 小規模企業共済など
個人トレーダーでも、パソコン代や書籍代は経費計上が可能です。
法人の場合はそれに加えて事務所の維持にかかる費用なども計上可能になります。
もちろん、原則として経費とみなされるのはFXに関連するものであり、家賃などは税理士と相談しなければなりません。
幅広いものが経費計上できるので、所得額をより抑えることができるようになりますよ!
税金面で有利
海外FXを法人口座で運用する最大のメリットは適用される『税率』です。
個人口座にて利益が出た場合は『所得税』
法人口座で利益が出た場合は『法人税』
取引額・利益大きくなればなるほど法人口座が有利になってきます。
逆に年間利益が数十万円などであれば個人口座で十分ということになります。
他事業との損益通算が可能
損益通算とは、同一年分の利益と損失を相殺することを指します。個人口座では、雑所得のみと損益通算が可能ですが、法人口座で得た利益は事業所得として扱われるので、他事業との損益通算をすることができます。
- 海外FXで300万円分の利益を得た
- 利益を得たのと同一年度に他事業部で300万円分の損失が発生
- この時、海外FXの利益は他事業との損益通算が可能なので、300万円を差し引きすることが可能
- 利益は1円も残っていないため税金は発生しない
上記のように、海外FXで利益が出ていても他のビジネスで赤字が出ているときには、損失分を差し引くことができます。
個人口座では同じ総合課税に分類される仮想通貨取引などとしか損益通算はできないため、税金面ではより有利になると言えます。
損失の繰り越し
個人口座では、国内FX業者でのみ損失を翌年に繰越すことができます。
一方で、海外FXの個人口座では損失の繰り越しが認められていません。
その理由は、国内FX業者は源泉分離課税として計算するのに対し、
海外FX業者の場合は総合課税として他の所得と合算しての計算になるからです。
しかし、海外FXは法人口座を開設することで損失を最大9年間繰り越すことができるようになります。
- 2023年に法人口座で取引した際、100万円の損失が出たとします。
- 2024年、法人口座で100万円分の利益が出れば、去年の損失分を相殺することができる。
- 2023年分を相殺できるため、2024年の税金は発生しない
個人的には損失の繰り越しはかなりメリットになりえるかと考えます。
利益で事業拡大が可能
別事業の原資としたり、不動産購入・株式購入などあらゆる方向に対して利益を活用することが可能になるでしょう。
例えば上記のような方法で、海外FXの利益をさらなるキャピタルゲインやインカムゲインを目的に運用することができます。
同じ法人内であればもちろん損益通算・損失の繰り越しができるので、個人でやるよりもメリットは大きいです。
デメリット
ここまで海外FX法人口座のメリットばかりならべてきました。
しかし、メリットだけ知るのではなくデメリットもキチンと把握しておきましょう。
- 利益を自由に引き出すことはできない
- 法人設立・維持にコストがかかる
利益を自由に引き出すことはできない
個人口座は、好きな時に好きなだけ利益を引き出すことが可能です。一方、法人口座はどれだけ利益を得ても、それを「好きなタイミングで好きな額だけ引き出す」といったことができません。
なぜなら、法人口座で得た利益は個人のものではなく、その組織の共有財産になるからです。
法人口座で得た利益は、「役員報酬」という事前に定めた金額分のみを受け取ることができます。しかし、この役員報酬は事業年度の途中で額を変えることができないため、慎重に決定しなければなりません。
法人設立・維持にコストがかかる
海外FXで法人口座を開設するには、会社を持っていなくてはなりません。そして、その会社の設立には安くても10万円前後が必要です。特に株式会社は設立に25万円程度かかってしまいます。
また、法人を維持するには、最低でも7万円程度の法人住民税を支払わなければなりません。この法人住民税は、例え会社が赤字になったとしても払わなければならないため、場合によってはかなりの負担になります。
他にも、決算時に必要な会計ソフトの導入や顧問税理士などの雇用、法人を解約する際にもコストはかかるリスクが存在しています。
含み益にも税金がかかる
個人口座では年末の時点で含み益がある場合、次の年に持ち越しても税金はかかりません。一方で、法人口座の場合は含み益に対しても税金がかかります。
そのため、例えば個人でできる「一部を利確して所得(利益)を調整する」といった税金対策が法人口座ではできないので注意しましょう。
対策としては、決算の2~3日前には全ポジション利確しておいて持ち越さないようにすると計算などがややこしくなくなります。
ズバリ!法人口座を開設すべき人は?
- 個人口座と法人口座ともに、利益額はすべて海外FX口座でのトレードによるものとする。
- 個人口座と法人口座ともに、経費はないものとする。
- 法人は資本金1,000万円以下の普通法人とする。
- 税額はお住まいの都道府県や市区町村によって異なります。
年間所得 | 個人口座の税率 | 法人口座の税率 |
---|---|---|
100万円 | 15%(所得税5%+住民税10%) | 約22% |
200万円 | 20%(所得税10%+住民税10%) | 約22% |
300万円 | 20%(所得税10%+住民税10%) | 約22% |
400万円 | 30%(所得税20%+住民税10%) | 約25% |
500万円 | 30%(所得税20%+住民税10%) | 約25% |
600万円 | 30%(所得税20%+住民税10%) | 約25% |
700万円 | 33%(所得税23%+住民税10%) | 約25% |
800万円 | 33%(所得税23%+住民税10%) | 約35% |
900万円 | 43%(所得税33%+住民税10%) | 約35% |
1,000万円 | 43%(所得税33%+住民税10%) | 約35% |
3,000万円 | 50%(所得税40%+住民税10%) | 約35% |
1億円 | 55%(所得税45%+住民税10%) | 約35% |
結論として「個人口座から法人口座に乗り換えたほうが税金が安くなる」という損益分岐点を超えるのは、海外FXの所得額が900万円を超えたタイミングです。
ただ実際には経費でPCを買ったりセミナーに行ったりなど様々な使いみちが出てくるかと思います。
そういったことを加味したうえでの現実的なラインは『300万円』程度でしょうね。
会社に勤務していて給与を貰っている人なども含めてこのあたりが妥当なタイミングかと思います。
まとめ
海外FXの法人口座について解説してきました。
実際に法人口座を開設される場合は事前に専門の税理士さんへ話しておくことをオススメします。
法人化すると、個人口座に比べて海外FXの利益にかかる税金・税率を大きく下げることができます。
注意点として、小額の利益であれば個人口座の方が税金は安く済みますし、法人の設立にもコストがかかるので利益額の少ない人は急ぐ必要はありません。
最後に、おさらいとしてメリットを並べておきます
- 税金面で有利
- 経費にできる項目がある
- 他事業との損益通算が可能
- 損失の繰り越し
- 利益で事業拡大が可能
まずは月25万円(年間300万円)程度の利益をFXで見込めるようになってから法人口座開設を検討していきましょう!
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